研究最前線

LHD実験の最新成果

 1998年3月の実験開始から今日までの4年間でLHDは、 電子温度10keV(約1億度)、蓄積エネルギ ー1MJ(100万ジュール)のプラズマを生成・維持することに成功しました。 これらの値は、ヘリカル装置が現在磁場閉じ込め方式で先頭を行くトカマク装置と、 そのプラズマ性能において肩を並べられる領域に至ったことを示しています。

●パラメータの達成値

 加熱パワーの増強と閉じ込め改善の努力は弛みなく行われています。 これまでに達成されたプラズマパラメータの値を下表にまとめて示します。

 表中のベータ値とはプラズマを保持する際の効 率を示す指標であり、プラズマの圧力/閉じ込め 磁場の圧力として定義される物理量です。経済的 な磁場閉じ込め核融合炉を作るためには、少ない 磁場エネルギーでより多くのエネルギーを包含する プラズマを閉じ込める、すなわち高いベータ値のプ ラズマを生成することが要求されます。
 下のグラフはLHDで生成されたプラズマの蓄積 エネルギーが、実験回数が進むにつれて大きくなっ てきていることを示しています。


●中心電子温度1億度の達成

 平成13年度に行われた実験でLHDは中心部における電子温度、1億度を記 録しました。実験は電子密度を低く制御したプラズマに、今期新たに改造を加え られた電子サイクロトロン共鳴加熱装置(ECH)による高パワー加熱を行うことに より達成されました。下のグラフは高出力YAG−トムソン散乱計測装置により得 られた電子温度分布です。また、ECHと中性粒子入射加熱装置(NBI)の重畳 加熱実験では、プラズマ内部に良好な閉じ込め領域(内部輸送障壁ITB)が形 成される放電を得ることにも成功しました。


●定常実験(lCRFによる2分間放電の達成)

 将来の核融合発電炉実現に必要な定常運転を目指した長時間放電維持実験が行われ、イオンサイクロトロン共鳴加 熱装置(ICRF)による2分間にわたるプラズマの維持に成功しました。さらに、NBI加熱による10秒間の高密度プラズマ 保持や、9分毎の40秒放電などの成果も得られています。下の写真は2分間放電時のプラズマの様子です。放電中、中 央下部が明るく輝いているのはガスの注入によるものです。

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