3.1.2.6 開発研究系

(1)はじめに

 開発研究系は、研究所創設以来、主として長期的視野に立ったLHD用加熱・計測の開発研究を行ってきた。ここ数年は、上記開発研究以外にCHSを用いたサテライト装置実験が大きな柱となっている。

(2)研究成果

最近の1年間にえられたCHS実験、CHS後継装置の検討、LHD計測、基礎実験の成果は以下のとおりである。

  1. CHS実験
     電子サイクロトロンプラズマの電位分布は、入射パワー一定の時、密度の関数として、5つの特徴的なパターンに分類されることが示された。低密度では、3つの分岐状態を往き来する自励振動が観測された。
     HotElectronモードと呼ばれる高電子温度(2、3keV)のプラズマでは、中性粒子ビームの入射方向(co-injection)と反対方向に回転する自発的トロイダル回転が観測された。観測されたプラズマの流れの方向は磁場強度の変化が最小となるヘリカル方向に近いことが分かった。平成11年3月末の実験終了後、CHSの東山サイトからの移転が完了し、平成12年1月に実験が再開された。
  2. CHS後継装置(準軸対称不テラレーター〉の検討
     準軸対称ステラレーターCHS-qaの物理及び工学設計が大きく進展した。物理設計としては三配位の最適化の評価基準として、これまで用いてきた単純な磁気井戸の評価に代えて、直接的にlocal ballooning stabilityの評価を行い、MHD実定性から与えられるべータ値限界のさらに高い設計を行えるようになった。また、この評価により同時にShafranovshiftを小さく抑えることが可能になり、平衡限界も高く設計することが可能になった。この最適化法に基づいて、アスペクト比を小さくする設計を行い、アスペクト比3.2の配位により、平均べータ値で5%まで達するトロイダル電流がゼロの平衡に対してMercier安定性を得ることができた。Globalな安定性については、電流の効果も含めて現在検討中である。実験装置に対する工学設計としては、磁場強度1.5テスラ、大半径1.5mの装置パラメータに対して・モジュラー・コイル、ポロイダル・コイル、トロイダル・コイルの強度解析を行い、装置の総合設計を完成させた。
  3. LHD計測
     荷電交換分光において、ネオンを入射することによりイオン温度、プラズマ回転を測定することに成功した。プラズマ周辺部でプラズマ回転がイオンの反磁性方向から電子の反磁性方向に変化するのが観測され、イオンルートから電子ルートヘの遷移の研究が進んだ。軟X線カメラのイメージモードで軟X線の接線像をとる事に成功した。
     ダイアモンド検出器により、ICRF加熱時の垂直及び平行方向の高エネルギー中性粒子のスペクトルとその時間変化を測定し、新しい知見が得られた。
  4. 基礎実験
     HYPER-Iにおいて、プラズマ中の流速場の測定が可能になった。プラズマ中に渦対の存在することが発見された。また、スパイラル構造が形成される機構を解明した。電磁波とプラズマの相互作用の研究も精力的に行っている。
     高エネルギー計測用ビームとして用いるためのヘリウムイオン源について、引出しビーム密度の増力に成功した。大強度イオンビーム輸送のための6段4重極レンズの試験を行い100%輸送を達成した。コンパクトなエミッタンスメーターの開発を行った。
     プラズマ中の原子素過程の研究では、不純物多価イオンによる電子捕獲断面積の絶対値の測定を行い、新しいスケーリング則を導出した。半導体レーザーを用いた不純物多価イオン-励起原子衝突過程の研究も行っている。
     高いビーム電流密度を実現する方策として、中性のプラズマビームの形で加速する電磁加速を実験;理論の両面から研究している。電磁加速のためには、エントロピー加速を用いた予備加速が必要であることが分かった。

(3)今後の課題
 サテライト装置実験では、CHSが実験装置としての使命をほぼ終了しつつあることから、CHSの後継装置が今後の課題となる。基礎実験では、本研究所がプラズマ科学の分野においても、COEとしての活動を行うならば、当該分野の拡大も今後の課題である。




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