2.4 高温プラズマの達成

 第3サイクルの終盤には、高い電子温度のプラズマを生成するため、Rax=3.6mmでBax=2.9Tの磁場を実現する試みを行った。その結果、3層からなるヘリカルコイルの電流値を僅かに変えることにより、Rax=3、6miでBt=2.91Tまで励磁することに成功している。図2-3は、Bt=2.9T、Rax=3.6mで得られた、ECHとICRFで加熱されたプラズマの電子温度分布と不純物分光で測定された中心イオン温度を示している。磁気軸上で電子が共鳴加熱する磁場を実現したことにより、電子温度はプラズマ中心で約4.4keVに達していることが分かる。イオン温度も2.7keVと高い温度を実現している。電子温度分布は、次に示すNBIで加熱されたプラズマの温度分布と比較すると、中心部が高い尖塔型になっており、磁気軸上の電子共鳴加熱が温度上昇に大きく寄与していることの傍証になっている。プラズマ中心の電子温度は、図2-4に示したように電子密度に依存し、電子密度が低い程高温になることが分かる。

図2-3 ECHとICRFで加熱されたプラズマの電子温度分布と中心イオン温度
図2-4 ECHとICRFで加熱されたプラズマの中心電子温度の密度依存性

 図2-5はこれまでに得られたNBIとICRFで加熱されたプラズマの中で最もイオン温度の高かったショットのイオン温度分布と電子温度分布を示している。磁場は、Rax=3.6mでBt=2.9Tである。この図から、イオン温度はほぼ電子温度に等しいこと、3.5keV前後の温度を達成していること等が分かる。
また、イオン温度、電子温度とも規格化小半径ρ=±0.9のプラズマエッジで高い値になっている。密度分布からは、周辺部で密度が急激に減少していることが明らかになっており、これら周辺部の状態は、後で詳しく述べるが、プラズマの閉じ込めを改善するための鍵になると考えられている。
第2サイクルのNBI入射による加熱実験は、Bt=1.5T、Rax=3.75mで行われ、ガスパフのガス種によって放電波形等に違いが見られた。水素ガスパフの場合、入射パワーカミ大きいと、電子密度がNBIの入射直後に一旦は増加するがすぐに減少する、密度クランプ現象が見いだされたが、ヘリウムガスパフの場合、このような現象は見られなかった。これに対して、第3サイクルで行われた高磁場、高パワー実験では、ガスパフのガス種に依存する現象やガス種による達成プラズマパラメータの大きな違いは見られなかった。

図2-5 NBIとICRFで加熱されたプラズマのイオン温度分布と電子温度分布



戻る




Copyright © 1995-2018 National Institute for Fusion Science. All rights reserved.

このページに関するお問い合わせは までお願いします。