3.1.7 電磁カ支持構造物のひずみ計測

 大型ヘリカル装置のヘリカルコイル容器及び電磁力支持構造物には、装置の動作状況を把握するため、ホール素子、温度計、ひずみゲージなどが取り付けられており、連続して計測を行っている。特にひずみ計測は世界最大の極低温構造物の、しかも強磁場中での計測であり、構造健全性評価システムを構築するための基礎データの収集を継続して行っている。

 標準プラズマ配位(磁気軸半径3.75m、#1-o mode)での励磁パターンと、内及び外赤道付近の温度変化を図3-1-7-1に示す。磁場2.5Tまで0.1T/minの励磁速度で励磁し、最大磁場2.75Tを達成後、再び0.1T/minの減磁速度で減磁した時の結果である。内赤道での温度上昇が大きく、2.5T以上の領域でのステップ励磁中に徐々に温度は低下している。
減磁時には再び励磁時と同様な温度上昇が生じている。この温度変化は磁場変動時に発生する渦電流によるものであり、温度上昇の度合いはポート形状、リブ形状等の違いにより場所によって異なっている。励磁速度を変化させると温度上昇量も変化し、磁場変化速度が小さい場合には、温度変化は緩やかとなる。

図3-1-7-1 励磁パターンと内赤道、外赤道での温度変化(最大磁場2.75T、#1-o mode)

 図3-1-7-1に示した励磁時の、各赤道面のポロイダル方向ひずみと、磁場の2乗(電磁力に対応する)との関係を図3-1-7-2に示す。温度変化の少ない外赤道では、ひずみは磁場の2乗に対してほぼ線形に変化し、外赤道部分が弾性的に変形していることが分かる。
一方、内側赤道では、ひずみが若干負の側に変化し、高い磁場の領域で線形の挙動を示している。この負側への変化はひずみゲージの温度上昇による見かけひずみの変化によるものであり、励磁開始前の温度に戻るにつれて正確な機械的ひずみを示すようになる。従って、内赤道においても弾性的な変形を生じているものと考えられる。

図3-1-7-2 磁場の2乗(電磁力に対応)とひずみとの関係

 磁気軸磁場2.75T(#1-o mode)における、各赤道面でのトロイダル方向応力、ポロイダル方向応力の測定結果を図3-1-7-3に示す。内側、外側の円がそれぞれ内赤道、外赤道を示し、点線部分は水平ポートにより切り欠かれた部分である。内側水平ポートは第1、3、4、6、8、9セクターにあり、ポート形状は同一である。外側水平ポートはすべてのセクターにあるが、NBI入射ポート(第1、6、7、10セクター)は特に大きく切り欠かれている。内赤道部ではトロイダル方向に圧縮応力が働き、ポロイダル方向に約11から16MPaの引張応力が作用する。一方、外赤道部ではトロイダル方向、ポロイダル方向ともに引張応力となり、ポロイダル方向応力は約31から45MPaである。これらのことから、内赤道では装置中心に向かって圧縮され、ポロイダル方向に引っ張れられる変形を生じ、外赤道では装置の外側に向かって膨張する変形を生じることが分かる。そしてこれらの変形はすべて弾性変形である。

図3-1-7-3 赤道面におけるトロイダル方向、ポロイダル方向応力(磁場2.75T、#1-o mode)


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