3.3.2 高エネルギー粒子動道と加熱解析

LHD真空磁気面における粒子軌道解析

 LHDの設計基準の一つはプラズマ半径の3分の1以内には粒子軌道ロスコーンが無い配位を選び、閉じ込めを良くする事であった。このためコード開発とパラメーターサーベイがなされ、LHDの最適化された磁場配位の下での粒子軌道が明らかにされてきた。粒子軌道は4種に大別でき(通過粒子、バナナ軌道粒子、局所捕捉粒子、遷移軌道粒子)、その粒子のダイバータ部での流出に関する詳細な解析を行って、ダイバータ設計や真空容器内機器設置に大きく貢献してきている。

捕捉粒子の粒子軌道と有限β効果

 LHDにおいては、標準配位(真空磁気軸内寄せ15cm)を中心として、ポロイダル磁場コイル等の電流制御を行うことにより、粒子軌道の特性を変化させることが出来る。ヘリカル捕捉粒子軌道の解析の結果、磁場配位の内側シフトを大きくすることにより、ヘリカル捕捉粒子の閉じ込めを改善することが出来ることが分かった。また、有限β効果による磁場配位の変化は、ヘリカル捕捉粒子の軌道を変形し、プラズマ中心部で軌道を悪化させることが分かった。

プラズマ加熱解析

・ECH解析
 モンテカルロ法を取り入れた5次元シミュレーションにより、ヘリカルプラズマにおける高エネルギー電子の非局所的な輸送について研究を行った。本研究により、初めて高エネルギー電子の非局所的輸送やその運動論的効果について定量的な議論が可能となった。LHDにおける結果は、標準配位において磁気軸加熱を行った場合、捕捉粒子を発生させる磁場のヘリカル成分が小さいため、ほとんどの粒子が非捕捉粒子となり、ドリフト軌道の効果は小さいことが分かった。しかしながら、off-axis加熱においては、ヘリカル成分が十分大きく、ドリフト軌道の効果が重要となることが判明した。

・ICRF加熱解析
 ICRF加熱においては、高エネルギー捕足粒子が発生するため、高エネルギー粒子の閉じ込めが加熱効率を大きく変化させる可能性がある。そのため、磁場構造や複雑な粒子軌道を正確に取り入れることが出来るモンテカルロシミュレーションにより解析を行った。標準配位においては、低密度において加熱パワーの増加にともなう加熱効率の大きな減少が見られるが、高エネルギー粒子の閉じ込めの良い内寄せ30cm配位においては、その減少は大きく抑えられることを明らかにした。

・NBI加熱解析
 3次元磁場配位による複雑な粒子軌道の影響や有限β効果による磁場配位の変化を取り入れたNBI加熱シミュレーションコードの開発を行った。結果として、高エネルギー側でビーム粒子が発生し、臨界速度まで、ほぼ同じピッチ角で減衰し、その後ピッチ角散乱による分布の広がりが見られた。特に、ヘリカル捕足粒子の軌道損失による影響がプラズマ周辺部に見られた。この得られたビーム分布関数により、加熱分布やビーム電流を正確に評価することができる。

・弱磁場におけるNBI加熱効率と到達β値
 高べータ実験など弱磁場実験においては、通過粒子の軌道は磁気面から大きくずれることが予想される。CHSにおいても、高β実験でビーム粒子軌道損失による加熱効率の減少が達成β値の決定に重要な働きをしていることが示されている。LHD標準配位における到達べ一タ値をNBI加熱シミュレーションとLHD閉じ込めスケーリング則を用いて評価し、到達β値の磁場強度依存性を明らかにした。結果として、密度を一定とした場合、約0.5Tの磁場強度で最大のべータ値が得られることを明らかにした(図3-3-5)。

図3-3-5 LHDにおける到達予想べータ値の磁場強度依存性


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